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2025.04.24 岩城宏之音楽賞2025年度 第19回「岩城宏之音楽賞」選考結果について

岩城宏之OEK永久名誉音楽監督の遺志を受け2007年に創設致しました、北陸にゆかりのある実力ある音楽家に贈られる「岩城宏之音楽賞」の2025年度の受賞者が、下記のとおり決定いたしましたのでお知らせいたします。受賞者には、本年9月6日(土)に石川県立音楽堂で開催される「岩城宏之メモリアル・コンサート」に、ソリストとしてオーケストラ・アンサンブル金沢と共演します。また、公演冒頭において当音楽賞の表彰および副賞(賞金50万円)の授与を行うこととしております。
岩城宏之賞受賞者
高野 百合絵(ソプラノ、富山県出身)
富山県出身。東京音楽大学、及び大学院を首席で修了。
第65回全日本学生音楽コンクール全国大会第1位、併せて日本放送協会賞受賞。第21回日本クラシック音楽コンクール全国大会第1位、グランプリ賞受賞。
第84回選抜高校野球大会開会式での国歌独唱、2015、17年天皇皇后両陛下御臨席のもと御前演奏の他、「サントリー1万人の第九」「マタイ受難曲」「テレジアミサ」「夏の夜の夢」「三角帽子」などのソリスト、『カルメン』(題名役)ハイライト、ジルヴェスター・ガラ・コンサート、ニューイヤ-コンサートなどで、読売日本交響楽団、東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団、九州交響楽団などのオーケストラとの共演や各地でのリサイタルが好評を博している。
オペラでは、NISSAY OPERA2018『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ役を在学中にオーディションで射止め、近年では、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2021『メリー・ウィドウ』主役ハンナ・グラヴァリに抜擢され、同オペラ2023『ドン・ジョヴァンニ』ではドンナ・アンナ役を壮麗な舞台姿と確かな歌唱力で喝采を浴びた。
2024年は3月小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXX子どものためのオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』フィオルディリージ役(ロームシアター京都)、5月東大阪市民オペラ『カルメン』題名役(東大阪市文化創造館)で出演し、いずれも絶賛される。7月には、佐渡裕プロデュースオペラ2024 『蝶々夫人』(兵庫県立芸術文化センター)でロールデビューを果たし、瑞々しい歌唱と徹底した所作で可憐な蝶々さんを演じ切った。
デビューアルバム「CANTARES」、2nd「Cantar del Alma/魂の歌」を日本コロムビアよりリリース。
NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、NHK富山放送局「ニュース富山人」、テレビ朝日「題名のない音楽会」、BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」などのメディアに出演。2025年度 全国共同制作オペラ『愛の妙薬』アディーナ役で、東京、大阪(11月)、京都(1月)での出演が決まっている。
審査員
- 木村かをり(ピアニスト、故岩城宏之夫人)
- 池辺晋一郎(作曲家、石川県立音楽堂 エグゼクティブ・ミュージック・ディレクター)
- 広上淳一(指揮者、OEKアーティスティック・リーダー)
受賞者のコメント
このたびは、岩城宏之音楽賞という大変栄誉ある賞を賜り、心より光栄に存じます。北陸・富山で音楽と出会い、今日まで多くの方々の温かい支えの中で歩んできた私にとって、この地にゆかりのある賞を頂けたことは、格別の喜びであり、大きな励みとなりました。これまで私を導いてくださったすべての皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。
音楽家としての歩みはまだ浅く、日々学びの連続ではありますが、自分の信じる音楽を丁寧に積み重ねてきた時間が、このようなかたちで評価されたことを心から嬉しく思っております。今後も一つひとつの舞台に真摯に向き合い、音楽を通して多くの方に喜びや感動をお届けできるよう、より一層精進してまいります。
そして、これまで多くを学び、私を育んでくれた富山の地に対しても、音楽という形で少しでも力になれることがあればと願っております。
このような貴重な機会を頂きましたことに、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
高野百合絵
岩城宏之メモリアル・コンサート公演日程
- 日時 2025年9月6日(土)14:00開演
- 会場 石川県立音楽堂コンサートホール
- 指揮 ユベール・スダーン
- 管弦楽 オーケストラ・アンサンブル金沢
詳細はこちら
2025.04.01 松井慶太氏のパーマネント・コンダクター就任
現・コンダクターの松井慶太氏が2025年4月よりパーマネント・コンダクターに就任いたしました。
これまでもオーケストラの定期公演や萬斎のおもちゃ箱などの主要公演、ジュニアオーケストラに至るまで様々な公演で演奏を共にして参りましたが、ぜひ今後のOEKとの活動にご期待ください。
2025.03.04 広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)が芸術選奨文部科学大臣賞を受賞
昨日、文化庁から令和6年度芸術選奨受賞の発表があり、
広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)が、芸術振興部門におきまして芸術選奨文部科学大臣賞を受賞いたしましたのでお知らせいたします。
▼詳細はこちら
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/94177001.html
2025.04.01 作品募集 / Call for Scores《和洋の響 VI》2025年度 オーケストラ作品(新曲)募集

Guideline and Application Form (PDF, English)
藩政期から続く伝統文化とクラシック音楽が出逢い、響き合う石川県立音楽堂では、その開館以来オーケストラ・アンサンブル金沢によって多くの「和」と「洋」のコラボレーション作品が上演され、石川・金沢の文化に厚みを加えてきました。2020年度からは《和洋の響》公演において、公募による優秀作品を初演しています。
(公財)石川県音楽文化振興事業団は、2024年度も引き続き、若手作曲家の方々を対象として下記の通り演奏作品を募集します。採用作品は、オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏により広く国内外に発信されます。新たな文化が生まれる瞬間に相応しい、皆様の作品のご応募をお待ちしております。
要項
採用作品点数 | 1点 |
応募資格 | 40歳以下(公演当日の年齢)で、作曲を学んでいる方 |
応募方法 | 所定の申込書に必要事項を記入し、提出物とともに事務局へ送付すること |
受付期間 | 2025年9月1日(月)〜9月30日(火) 必着 |
条件・内容 |
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演奏時間 | 7分程度とする |
編成 | 原則オーケストラ・アンサンブル金沢の編成とする(8型, 2222-2200, Timp1(Perc兼務可), Perc1) |
提出物 | 所定の申込書、スコア(印刷されたもの2部)、デモ音源(CD) |
申込書 | 要項(PDF) 申込書(PDF) 申込書(Microsoft Word) |
審査委員 |
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採用通知 | Eメールまたは電話にて応募者へ通知したうえで、採用作品については、各種メディア、ウェブサイト等にて公表します。通知時期については本ページにて後日発表します。 |
作品発表 |
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採用賞金 | 10万円 |
その他 | 2026年2月9日、10日のリハーサルと2月11日の本番に立ち会うこと(国内交通費・宿泊費の支給あり) |
主催 申込先 問合先 |
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2024.12.28 【放送情報】NHK FM「ブラボー!オーケストラ」
【放送情報】NHK-FM「ブラボー!オーケストラ」にてOEKの演奏が放送されます。
■日時 1月5日(日) 19:25〜20:25
■曲目 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ほか
指揮:広上淳一(#OEKアーティスティック・リーダー)
ピアノ:ファジル・サイ
※聞き逃し配信もございます。詳しくは番組ホームページをご覧ください。
https://www.nhk.jp/p/bravo/rs/KG13PQW6JY/
2025.03.20 アンコール公演アンコール曲(2025年1月-)

- 第492回定期公演マイスターシリーズ
- 2025年3月20日(木・祝)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
- ヘンデル=ハルヴォルセン:バッサカリア(演奏:水谷晃、植木昭雄、橋爪惠梨香、金田直道)
- モーツァルト:ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K.334より メヌエット
- 第491回定期公演フィルハーモニーシリーズ
- 2025年3月8日(土)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
- 吉松隆:ピアノ・フォリオ…消えたプレイアードによせて(演奏:牛田智大)
- 芥川也寸志:トリプティークより 第2楽章「子守歌」
- 第490回定期公演マイスターシリーズ
- 2025年1月26日(日)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
- リスト:ラ・カンパネラ(演奏:亀井聖矢)
- メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 Op.56「スコットランド」第4楽章より
- ファンタスティック・オーケストラコンサートVOL.2
- 2025年1月18日(土)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
- 見上げてごらん夜の星を
- 第489回定期公演フィルハーモニーシリーズ
- 2025年1月11日(土)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
- J.シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲
2024.10.29 お知らせ被災者ご招待:能登半島地震復興応援コンサート金沢公演(11/27)

公益財団法人石川県音楽文化振興事業団/オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)は、2024年11月27日(水)に開催する能登半島地震復興応援コンサート金沢公演に、令和6年能登半島地震で被災された方400名を無料でご招待いたします。なお、能登地区6市町に在住の方には、無料バスツアーを実施することとしております(各市町40名、計240名)。
バスツアーの詳細についてはこちら(PDFファイル)
令和6年能登半島地震被災者の無料ご招待について
対象公演 | 能登半島地震復興応援コンサート金沢公演(公演詳細) |
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対象者 | 令和6年能登半島地震で被災された方 |
申込方法 |
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必要項目 |
お電話の場合は、以下の情報をご準備ください。
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申込期間 | 令和6年11月18日(月)まで |
当選者の決定 | 先着順(400名、バスツアーは各市町40名) |
問合せ先 | オーケストラ・アンサンブル金沢事務局 TEL 076-232-0171 |
2024.10.01 お知らせ【3/14更新】広上淳一×OEK 最新スケジュール
広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)に金沢で会えるスケジュールをお届けします。
Topics
コンサート
広上淳一×OEKの演奏が聴きたい方はぜひ石川県立音楽堂の公演にお越しください!
※県外公演もございます。
会場:石川県立音楽堂 コンサートホール 会場:茅ヶ崎市民文化会館 大ホール 会場:YCC県民文化ホール 会場:石川県立音楽堂 コンサートホール 会場:石川県立音楽堂 コンサートホールウィーン古典派に聴くOEKの名手たち
第492回定期公演マイスター・シリーズ
広上淳一×OEK オール ベートーヴェン プログラム
茅ヶ崎公演
広上淳一×OEK オール ベートーヴェン プログラム
甲府公演
大河ドラマ大好き人間、淳一こだわりのテーマ集!
ファンタスティック・オーケストラコンサート
広上淳一の「田園」。世界の熱視線を浴びるボロー、日本デビューの「皇帝」
第496回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
ミニコンサート in 金沢百番街
月1回、金沢駅内のショッピング施設「金沢百番街」のイタリアンブラッスリー&カフェで食事やドリンクを楽しみながら広上マエストロとOEKメンバーの演奏とトークが楽しめます。
▽会場
金沢百番街 あんと西 カンパーニュ クチーナ&バール(TEL.076-224-0141)
♫お席のご予約も受け付けております。
▼公演日程
3/19(水)17:00~17:30
Vn水谷晃
Youtube配信
2024年9月より、SNSで完全密着ドキュメンタリー動画を配信しています。
OEKとの公演やリハーサルの模様、ふとしたときに語られる広上マエストロの仕事術やぼやきなどなど…
いろんなマエストロの顔が見えるショート動画集です。
↓からYoutubeの再生リストでこれまでの動画を一気見できます!
メディア情報
北國新聞連載「さすらいマエストロの独り言」(火曜)
エフエム石川「OEK presents 広上淳一の いーじークラシック」毎週土曜 11:30 - 11:45
人気Youtubeチャンネル「厳選クラシックちゃんねる」に広上マエストロが出演(12/6更新分)!
OEKのこと、能登のことについても熱く語っていらっしゃいます。
2024.09.25 お知らせ【Concert Report #2】第484回定期公演フィルハーモニーシリーズ
オーケストラ・アンサンブル金沢の定期公演をお聞きくださった音楽評論家、ジャーナリストの方々に当日の演奏について寄稿していただく「Concert Report」。17日の公演評をもう一つお届けします。
シーズン開幕を寿ぐベートーヴェン・プログラム。鮮烈この上ない「プロメテウスの創造物」序曲から、広上淳一とオーケストラ・アンサンブル金沢は、高度にプロフェッショナルな蜜月を披露したのではないか。
素晴らしい。広上がOEKのアーティスティック・リーダーに就任して3年。この愛すべき指揮者は、多士済々なメンバーの技、覇気を促す。踊っているように見えて、実は経過句的なパッセージやハーモニーの移ろいに意を払い、フレーズの頂点や「句読点」をくっきりと視覚化する。そんな変幻自在なタクトと呼応するOEKの妙技を満喫した。響きが以前にもまして明晰になった。奥行き、広がりを感じさせるようになった。このコンビ、まさに相思相愛だが、慣れあっている風情はなく、好ましい距離感、緊張感を保った上で音楽の「旅」を続けているようである。
演奏と創作の両輪で魔境を奏でる鬼才ファジル・サイに、掛け値なしの大喝采が送られた。ベートーヴェンの新機軸も聴きどころとなるピアノ協奏曲第3番ハ短調。サイが紡ぐ、ホール空間をさ迷うかのような妖しい音色(ねいろ)を察知した広上とOEKにも拍手を。響きの行方を確かめるべく、サイと広上が同じ方向を見つめ、微笑みあう場面が何度もあった。サイは、ファンの願いをかなえるかのように自作「ブラック・アース」を弾く。特殊奏法が特殊にならない深遠な音楽。
広上とOEKは、管弦、ティンパニもときに主役を演じる交響曲第4番変ロ長調が、コンサートのメインディッシュになることを証明した。緩急楽想の絶妙な転換、木管楽器、ティンパニの各「ソロ」に酔った。(文=奥田佳道)
2024.09.20 お知らせ【Concert Report #1】第484回定期公演フィルハーモニーシリーズ
オーケストラ・アンサンブル金沢(以下、OEK)の新シーズンが開幕。
その記念すべき1公演目は鬼才ファジル・サイを迎えて、我らが広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)とのオール・ベートヴェンプログラムをお楽しみいただきました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
今回よりOEKの定期公演をお聞きくださった音楽評論家、ジャーナリストの方々に当日の演奏について寄稿していただく「Concert Report」を開始いたします。
バッハから自作まで、幅広いレパートリーを誇るピアニストのファジル・サイ。私は東京でもほぼ毎回、彼の演奏に触れ来たが、今年はこのOEK定期への出演のみ。それならば金沢に行かなくてはと新幹線に乗った。オール・ベートーヴェン・プロの第484回定期は「プロメテウスの創造物」序曲から始まった。オーケストラの引き締まった響き、自在な広上の指揮によって躍動感が生まれる。そして舞台転換して「ピアノ協奏曲第3番」へ。いつものような、少し跳ねる歩き方で舞台袖から現れたサイは、オケの提示部が始まると、オケの方を向いて、その響きに耳を傾ける。そしてピアノのソロが登場。ダイナミックな音量、特に左手の厚い音の上に、きらめくような右手のパッセージが加わる。ベートーヴェンの音楽作りに必要な構築感を示しながらも、細かい動きやニュアンスをフレーズの至る所に感じさせつつ、オーケストラの動きに合わせた部分でもはっきりと自己主張するサイらしい演奏が展開された。第1楽章のカデンツァは、作曲家としてのサイの魅力も垣間見える独特のもので、心の中で快哉を叫ぶ。以後の楽章も機敏なやり取りが楽しかった。アンコールには自作「ブラック・アース」。サイのファンであればすぐに分かる代表曲。聴くたびに、長くなっているような気がするのだが、それは仲秋の月の為せる技だったのかもしれない。(文=片桐卓也)