コンポーザー・オブ・ザ・イヤー
作曲家とオーケストラが期間契約を結び、その間に新作を提供したり顧問的な役割を果たす制度「コンポーザー・オブ・ザ・イヤー」は、現代に生きる私たちが現代の音楽史に責任を持ち、未来の宝となる作品を世に残すためのプロジェクトです。OEKの設立より2010年までは「コンポーザー・イン・レジデンス」の名称で数多くの作品が委嘱・演奏されてきました。
2019-2020酒井健治
1977年8月6日大阪生まれ。京都市立芸術大学にて学んだ後渡仏。フランス国立パリ高等音楽院作曲科、ジュネーヴ音楽院作曲科を最優秀の成績で卒業後、Ircam(イルカム、フランス国立音響音楽研究所)にて電子音楽を学び、2012年マドリッド・フランスアカデミーの芸術部門の会員に選出された。
ドイツ音楽界の重鎮であるヘルムート・ラッヘンマンは酒井健治の作品に対し、非常に高度に発達した作曲技術を持ち、極めて個人的に発展したそのスタイルは軽やかさと輝きを帯びると表現し、独奏からオーケストラまで、あるいは電子音響をフューチャーした作品群は国内外の著名な演奏団体によって世界初演されている。その一部を列挙すると、リヨン国立管弦楽団、ルツェルン交響楽団、ベルギー国立管弦楽団、NHK交響楽団、京都市交響楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポラン等が挙げられ、またジョナサン・ノット、ジョナサン・シュトックハマー、飯森範親、下野竜也、児玉桃、成田達輝、萩原麻未等の指揮者やソリストによって欧州各国、日本、北米の著名な音楽祭やコンサートホールで世界初演されており、特にシルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団によって初演された「ブルーコンチェルト」は同楽団の欧州ツアーのために、また「青のスパイラル」はレ・ヴァン・フランセの日本ツアーのために書かれた。また自作品の個展がこれまで欧州や日本の様々な都市で開催されており、2017年2月にはMusic From Japan音楽祭のテーマ作曲家としてニューヨークで室内楽作品が特集された。管弦楽作品についても定期的に発表しており、2017年より3年間名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンスを務めた。
これまで国内外の著名な作曲賞を次々に受賞しており、ジョルジュ・エネスコ国際コンクール作曲部門グランプリ(2007)、武満徹作曲賞第一位(2009)、ルツェルン・アートメンターファンデーション賞(2010)、エリザベート王妃国際音楽コンクール作曲部門グランプリ(2012)、文化庁長官表彰(国際芸術部門)(2012)、芥川作曲賞(2013)、ジョルジュ・ヴィルデンシュタイン賞(2013)等、また2015年ローマフランスアカデミーのフェロー(ローマ賞)に選ばれた。
酒井健治の作品は全音楽譜出版社より出版されている。
歴代のOEKコンポーザー・オブ・ザ・イヤー2009年以前の呼称はコンポーザー・イン・レジデンス
2019-2020酒井健治 | ジュピターの幻影初演:2021年2月27日(予定) |
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2018-2019挾間美帆 | 南坊の誓い初演:2020年01月25日 公演:第424回定期公演 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:マキシム・パスカル |
2017-2018池辺晋一郎 | この風の彼方へ初演:2018年9月8日 公演:岩城宏之メモリアルコンサート 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:ユベール・スダーン |
2016-2017ティエリー・エスケシュ | オルガン協奏曲 第3番 「時の4つの顔」初演:2017.7.18 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上道義 オルガン:ティエリー・エスケシュ |
2015-2016一柳 慧 | 交響曲 第10番 ― さまざまな思い出の中に初演:2016.6.2 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:川瀬賢太郎 受賞:第65回尾高賞(2017) |
2014-2015権代 敦彦 | Vice Versa ― 逆も真なり初演:2015.7.18 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上道義 受賞:第64回尾高賞(2016) |
2012-2014ウンスク・チン | 大アンサンブルのための「グラフィティ」初演:2014.9.6 公演:岩城宏之メモリアルコンサート 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:山田和樹 |
2011-2012望月 京 | 三千世界初演:2011.9.8 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上 道義 |
2010-2011加古 隆 | ヴァーミリオン・スケープ ~朱の風景初演:2010.9.3 会場:富山県民会館 指揮:井上 道義 |
2009-2010ロジェ・ブトリー | アルトおよびソプラノのサクソフォンと管弦楽のための協奏曲初演:2009.9.6 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上 道義 サクソフォン:須川 展也 |
2008-2009三枝 成彰 | ピアノ協奏曲「イカの哲学」初演:2008.9.10 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上 道義 ピアノ:木村かをり |
2007-2008一柳 慧 | 交響曲第7番「イシカワ・パラフレーズ」-岩城宏之の追憶に初演:2008.1.8 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:井上 道義 |
2006-2007新実 徳英 | 協奏的交響曲 -エランヴィタール初演:2006.9.7 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:外山 雄三 受賞:第55回尾高賞(2007) |
2005-2006間宮 芳生 | オーケストラのためのタブロー2005初演:2005.11.24 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 |
2004-2005権代 敦彦 | 84000×0=0 for Orchestra, op.88初演:2005.3.19 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 |
2004-2005レーラ・アウエルバッハ | ヴァイオリン協奏曲第2番 作品77初演:2004.9.21 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 ヴァイオリン:諏訪内晶子 |
2003-2004猿谷 紀郎 | 碧い知嗾(ちそう)初演:2002.9.19 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 |
2002-2003三善 晃 | 三つのイメージ -童声・混声合唱とオーケストラのための (詩:谷川俊太郎 詩集「魂のいちばんおいしいところ」より)初演:2002.9.8 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 ピアノ:木村かをり 合唱:オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団、エンジェルコーラス |
2001-2002松村 禎三 | ゲッセマネの夜に初演:2002.9.8 会場:石川県立音楽堂コンサートホール 指揮:岩城 宏之 |
2000-2001江村 哲二 | ザ・ウェッジ(楔) -オーケストラのための初演:2000.9.4 会場:新潟市民芸術文化会館、新潟 指揮:岩城 宏之 |
1999-2000林 光 | 哀歌 -オーケストラのための初演:1999.10.1 会場:金沢市観光会館 、石川 指揮: 岩城 宏之 |
1998-1999藤家 溪子 | ギター協奏曲 第2番「恋すてふ」初演:1999.3.12 会場:金沢市観光会館 、石川 指揮:岩城 宏之 ギター:山下 和仁 受賞:第48回尾高賞(2000) |
1997-1998池辺 晋一郎 | 悲しみの森 -オーケストラのために初演:1998.9.3 会場:金沢市観光会館 、石川 指揮:岩城 宏之 受賞:第47回尾高賞(1999) |
1996-1997.4黛 敏郎 | バッサカリア(絶筆・未完)初演:1997.8.31 会場:金沢市観光会館 、石川 指揮:岩城 宏之 |
1995-1996.2武満 徹 | (未完)(未完) |
1993-1995湯浅 譲二 | ピアノ・コンチェルティーノ初演:1994.9.24 会場:愛知県芸術劇場コンサートホール、愛知 指揮:岩城 宏之 ピアノ:木村 かをり |
1992-1993西村 朗 | 鳥のヘテロフォニー初演:1993.9.19 会場:愛知県芸術劇場コンサートホール、愛知 指揮:岩城 宏之 |
1991-1992外山 雄三 | 交響的「石川」初演:1992.10.24 会場: 金沢市観光会館、石川 指揮:岩城 宏之 |
1988-1991石井 眞木 | 能管と小オーケストラのための「風姿II」初演:1989.10.3 会場:パレ・デ・ボザール、ベルギー 指揮:岩城 宏之 能管:赤尾 三千子 |
1988-1991一柳 慧 | 筝と室内オーケストラのための「始原」初演:1989.10.3 会場:パレ・デ・ボザール、ベルギー 指揮:岩城 宏之 筝:福永 千恵子 |