オーケストラ・アンサンブル金沢

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スペシャルコンサート

いま届けたいクラシック。OEK再始動、生演奏で届けたい感謝の気持ち。

スペシャルコンサート

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OEK指揮者 田中祐子より皆様へ

約4ヶ月、私たち音楽家や音楽に携わる者は皆、過去に体験したことのない時間を過ごしました。一人一人感じたことは違って当然だと思います。ただ、自分たちのホームグラウンドである石川県立音楽堂で、お客様を迎え、演奏を再開できることを喜ばない人間はいないと信じています。なぜなら、そこには音楽がつなぐ皆様との歴史があるからです。岩城監督の時代からずっと応援して頂いたお客様や、近年足繁く音楽堂に通ってくださる皆様、東京や大阪、名古屋、また各地の公演で温かい声援をくださる皆様。この4ヶ月、楽団員や事務局員は、これまで出会ったお客様のお顔や声援や、舞台上で過ごした時間を、毎日のように思い出していました。

音楽が必ず、どんな時も、人々にとって必要なものなのか、その正解はないと感じています。ただ、音楽を通して、芸術によって、生きる希望を持つことは、必ず存在すると私は思っています。音楽をできる喜び、聴いてくれる人がいるという喜び、その環境を整えてくれる全ての方々へ感謝を込めて、演奏したいと思います。

最初にお届けするペルトのカントゥスは、副題にもあるようにベンジャミン・ブリテンの追悼歌として書かれたものです。ただ、哀しみだけではなく、彼が影響を受けたショスタコーヴィチやシェーンベルクの響きが彼の故郷エストニアを思わせる、大変美しい作品です。今回お亡くなりになられた方に対してや、医療従事者の方への感謝の思いもありますが、お客様にはそれぞれに想いを馳せてお聴きください。

神尾真由子さんは言わずと知れた世界的なヴァイオリニストです。いしかわミュージックアカデミーとの縁も深く、OEKとも幾度も共演されています。その神尾さんが今回はチャイコフスキーの協奏曲でOEKと「再会」します。チャイコフスキー・コンクール覇者の音色を充分堪能して頂けると思います。私は初共演ですが本当に楽しみです。

プロコフィエフの古典交響曲をOEKが幾度となく演奏している理由、それはOEKの良さを発揮するのに最高の楽曲の1つだからです。スピード感や木管の超絶技巧も聴き応えがありますが、プロコフィエフ特有の急激な方向転換や引き出しの多いキャラクターを求められる構成は、OEKの人数、そして彼らの技術だからこそ。作品の良さを体験していただけると私は信じています。

ヴァイオリン奏者 神尾真由子氏よりメッセージ

私にとって金沢はとても馴染みの深い土地です。中学2年生の夏に初めて〈いしかわミュージックアカデミー〉に受講生として訪れて以来、ほぼ毎年のように演奏会やマスタークラスで訪れています。10年以上に渡り私の成長(そういうものがあるとすれば、ですが…)を聞いて頂けた金沢の皆様に、緊急事態宣言解除後はじめてのオーケストラ・アンサンブル金沢との共演を聴いていただけるのは、とても嬉しく光栄に思っております。

そして、音楽は所謂 Essential Workとは言い難いものですが、この様な状況にも関わらず音楽を望んでくださっている方がいるというのは、とても有難いことです。クラシック音楽界もこの機会に、海外からの輸入だけでなく国内回帰といいますか、其々の地域を愛し根差し活動している素晴らしいオーケストラ、そして演奏家にこそ脚光が当たるべき時期なのかと個人的に思います。OEKはその様な意味でも、非常に大きな存在意義のあるオーケストラだと思いますし、OEKの新たな時代の幕開けにソリストとして呼んでいただき、大変光栄です!!

開催日程

2020年07月26日(日) 開場 11 : 00 開演 12 : 00
2020年07月26日(日) 開場 16 : 00 開演 17 : 00

出演者

  • 田中祐子
    OEK指揮者
    田中祐子OEK指揮者
    OEK指揮者。愛知教育大学卒業。同大学院を修了と同時に東京音楽大学指揮科に特待奨学生として入学。同大卒業後、東京藝術大学大学院に進み首席で修了。2012年より渡独しベルリン、ミュンヘンを中心に研鑽を積む。ブザンソン指揮者コンクール、ショルティ国際指揮者コンクールのセミファイナリスト。東京国際コンクール「指揮」部門入選。指揮を尾高忠明、広上淳一、高関健、汐澤安彦の各氏に師事。ピアノを隈本浩明氏に、チェンバロ・通奏低音を大塚直哉氏に師事。国内の主要オーケストラと共演を重ね、2013年にはクロアチア国立歌劇場リエカ管弦楽団を指揮し海外デビュー。2015年藤原歌劇団のヴェルディ《椿姫》を指揮しデビュー。邦人オペラ作品にも積極的に取り組む。Eテレ「らららクラシック」、テレビ朝日「題名のない音楽会」等のメディアにも頻繁に出演している。
  • 神尾真由子
    ヴァイオリン
    神尾真由子ヴァイオリン
    4歳よりヴァイオリンをはじめる。2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の注目を浴びた。これまで、国内の主要オーケストラはもとより、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団、などと共演。近年では、ズービン・メータ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団と南米ツアー、ルドヴィク・モルロー指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団とイスラエルツアーを行った。RCA Red Sealレーベルより「パガニーニ:24のカプリース」「チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲」をリリースしており、2012年秋にはフランク、ブラームス、シュトラウスを収めたCD「ロマンティック・ソナタ」をリリースした。これまで里屋智佳子、小栗まち絵、工藤千博、原田幸一郎、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫、ザハール・ブロンの各氏に師事。楽器は宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス1731年製作「Rubinoff」を使用している。大阪府知事賞、京都府知事賞、第13回出光音楽賞、文化庁長官表彰、ホテルオークラ音楽賞はじめ数々の賞を受賞。

演奏曲目

ペルトカントゥス(ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌)
チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
プロコフィエフ古典交響曲 ニ長調 作品25

会場

石川県立音楽堂 コンサートホール

チケット

料金 全席指定
S席4,000円
A席3,000円
未就学児入場不可
公演予定時間: 60分(休憩なし)
販売座席制限あり

OEK定期会員 先行予約 7月9日(木)10:00より
一般発売開始 7月10日(金)10:00より
プレイガイド 石川県立音楽堂チケットボックス TEL076-232-8632

主催・問合せ等

主催
  • 公益財団法人石川県音楽文化振興事業団
問合せ
  • 石川県立音楽堂チケットボックス TEL076-232-8632